幸せなひとりぼっち

たかが世界の終わり
どうも「残りわずかな人生をどう生きるか」をテーマにした作品には弱いようで、2日続けて観てきた。
「幸せなひとりぼっち」は妻に先立たれ、職場からもリストラされた主人公オーヴェは自殺を試みるけど
向かいに引っ越してきた住人や周りの人たちの世話を焼くうちに、そのタイミングを逃していく。
子供から青年への成長、そして妻ソーニャと出会いと、オーヴェの人生を振り返りながら頑固で偏屈になってしまった理由を知ることで、
最初はただの口うるさいジジイに思えたオーヴェが、実は心根が優しい人物だったと理解することが出来る。
オーヴェは最後には死んでしまうけどそれを必要以上に劇的にせず、
だけどちゃんと悲しみと遺していったものがあることを描いているのが良かった。




たかが世界の終わり」はハッキリ言ってつまらなかった。
主人公のルイが自分の死期が近いことを家族に伝えるために、12年ぶりに実家に帰るのだけど長い空白によるのか
家族との会話もどこかぎこちなさやしこりがあり、結局伝えられないどころか家族に不和を起こして終わる始末。
主人公の告白して波乱が起きるのならバッドエンドでもいいいのだけど、これじゃただ不快感しか残らない。
挿入歌の使い方も下手くそだった。マイアヒとか回想シーンに全然合ってないし。
まぁルイに不快感を覚えたのは、自分自身にも似た部分があるからってのが大きな理由なんだけど。



こういうテーマの映画を観たがるのは、こういう風に生きたいけど生きられないし生きようとも思ってない、
だけどいつかこうなるだろうと何もしないくせにに期待だけは一丁前にしてる、自己矛盾に対する現実逃避なんだよな。