ダゲレオタイプの女
ダゲレオタイプという世界最古の写真撮影方法にこだわる写真家ステファンのアシスタントとなったジャンが、
その撮影方法とステファンの娘でモデルを務めるマリーに魅かれるが、徐々に悲劇へと発展していくストーリー。
顔を見せなかったり鏡を意味深に映したり、画面端を人影がスッとよぎるホラー的演出はステファンの亡くなった妻への妄執や恐怖を上手く表現してた。
マリーが死んでいたのは分かりやすかったので、ラストでいなくなった事自体は驚かなかったけど、誰もいない助手席に語りかける様はゾクッとした。
けれど期待してたのは、それぞれの歪んだ感情や愛憎によって三角形が内側へとひしゃげていくような破滅であって
これだと個々の自業自得や自暴自棄によって三角形が頂点から引っ張られて千切れていったって印象。
鑑賞後にしばらく引き摺るくらいの陰鬱さが欲しかった。