その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

とある美女アレックスが誘拐監禁され、その捜査の指揮を誘拐事件で妻を失ったカミーユ警部が執ることに。
しかし手がかかりは少なく、捜査は難航しアレックスの命も危うくなっていく。


アレックスとカミーユ警部の視点が交互に描かれ、徐々に明らかになる事件の真相とアレックスの正体。
陰鬱さと狂気とグロテスクが混じり合いながらも不快感は無く、二転三転する物語に引き込まれていった。
あと直接的な性描写がほぼ皆無なのがいい。
読者の視点からだと「真相」は明らかなのだけど、カミーユ警部は果たして本当は気付いていたのだろうか?
実情はまるで違うけど高瀬舟のように、司法の判断に委ねたのか。
いや単に「正義」を選んだんかな。


海外小説はあまり読まないのだけど、紹介記事で面白そうだったので読んでみたら当たりだった。
とは言えこれを機に海外小説まで手を広げるかは微妙。
まぁこのシリーズはちょっと読んでみたいかも。
あと映画化もされるみたいなので、日本でも公開されたら観に行こう。